【FPが優しく解説】60歳から「つみたてNISA」は間に合う?老後資金を守り、増やすための”最後の投資”

資産運用

「定年後の本やセミナーって、どうにも難しくて頭に入ってこないんだよな…」

皆さん、そう感じていませんか?

特に「お金の話」は専門用語が多くて、聞くだけで疲れてしまいますよね。でも、「年金だけじゃ本当に大丈夫かな?」という不安は、これから60代を迎えるシニア層にとって、一番の悩みだと思います。

今日は、そんな老後資金の不安を解消するために、最近よく耳にする「つみたてNISA(ニーサ)」について、「60歳から始めても遅くないのか?」というテーマで、分かりやすく解説していきます。

そもそも「つみたてNISA」って、私たちシニアにとって、何が良いの?

テレビやネットで「NISA」という言葉を聞くたびに、「若い人がやるもんでしょ?」「投資なんて怖い」と思って蓋をしていませんか?

結論から言いますと、60歳からでも、つみたてNISAは「十分にアリ」です。

なぜなら、つみたてNISAの最大のメリットは、「増えた分に税金がかからない」という、国が用意してくれた特別なオトクな仕組みだからです。

普通の投資で利益が出ると、その利益の約20.315%は税金として国に持っていかれます。

例えば、10万円の利益が出ても、約2万円は税金で消えてしまうんです。

でも、つみたてNISAを使えば、利益が全額、まるっと私たちのものになります。これは、これからお金を増やしたい私たちシニアにとって、使わない手はない「ボーナス制度」のようなものなんです。

「もう遅いんじゃないか?」という、あなたの疑問に正直に答えます

「投資は早く始めるほど良いんでしょ?もう60歳だよ?」

これは本当に多くの方が抱える疑問です。

確かに、若い人には「時間」という最大の武器があります。しかし、60歳からの私たちには、若い人にはない「知識」と「守りに入る賢さ」があります。

Q. 60歳から始めても、本当に間に合う?

A. 間に合います。ただし「考え方」を変えましょう。

若い人のように「一攫千金」を狙う必要はありません。私たちの目的は、「老後資金の目減りを防ぎ、確実性を高めながら、銀行に預けるより少しでも増やしていくこと」です。

銀行の定期預金の金利は、現在、0.275%(2025年11月大手メガバンク)です。100万円を預けても、1年後の手取り利息は年に2,000円ちょっとです。物価が上がれば、実質的にお金の価値は減ってしまいます。

つみたてNISAの仕組みを利用して、年数%(例えば、全世界株式投信の長期的な平均利回りの目安5〜8%程度)を目標に、お金に働いてもらう。それが、私たち60歳からの賢い資産運用です。

例えば、毎月3万円を5年間(65歳まで)積み立てるだけでも、元本は180万円です。この元本が、安全性の高い運用で少しでも増えれば、銀行に預けておくよりも、確実に老後資金の助けになります。

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失敗しない!60歳からの「安全で地味な」つみたてNISAの選び方

投資と聞くと、「大儲けしたい!」とつい派手な商品を選びがちですが、私たちは違います。「守り」を意識した、地味で安全な商品を選ぶのが鉄則です。

私が皆さんにおすすめするのは、たった2つのポイントです。

【ポイント1】選ぶべきは「世界全体」に分散された商品

投資で最も怖いのは、「一箇所に集中させて、それがダメになること」です。例えば、日本の株だけに投資して、日本経済が低迷したら大損してしまいます。

そこで選ぶべきは、「全世界の株式に、自動で分散して投資してくれる商品」です。

  • 商品名を探す時のヒント:
    • 「世界株」「オールカントリー」「全世界」などの言葉が入っているもの。
    • 手数料(信託報酬)が安いもの(0.05~0.1%台を目安)。手数料は、利益を蝕む”見えないコスト”です。

世界中の景気が一度に悪くなることは、ほとんどありません。どこかの国が調子を崩しても、他の国がカバーしてくれる。これが「分散」の力です。

【ポイント2】「つみたて」だから、焦らなくていい

つみたてNISAは、毎月決まった日に、決まった金額を「自動で積み立てる」仕組みです。

この「自動」というのが、私たちの老後の運用にすごく大切です。

相場が上がっても下がっても、感情に流されずに淡々と買い続けます。これを「時間分散」と言います。

相場が高い時には少ししか買えず、安い時には多く買える。結果的に、高いところばかりで買うリスクを下げてくれる、非常に合理的な方法です。

「今日は下がったから買いたくない」「今日は上がったからもっと買おう」という感情的な判断を排除してくれるので、仕事や趣味に集中できます。

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「つみたてNISA」の始め方:最初の一歩を踏み出そう

「仕組みは分かったけど、結局どうすればいいんだ?」

そうですよね。実際に行動に移すのが一番大変です。難しく考えず、以下の3ステップで、まずは一歩踏み出してみましょう。

ステップ1:ネット証券で口座を開設する

銀行等でもNISAはできますが、手数料が安く、選べる商品が多いのは「ネット証券」です。

口座開設はすべてネットで完結し、無料でできます。

ステップ2:毎月の積立額を決める

老後資金の運用なので、無理のない金額にしましょう。

  • 生活防衛資金」(急な病気や出費に備える6ヶ月程度の生活費)を確保した上で、余剰資金で始めましょう。
  • 目標金額は、例えば「毎月2万円」や「毎月3万円」など、無理なく続けられる額でスタートできます。

ステップ3:「分散型の商品」を選び、積立設定をする

先ほどお伝えした、「全世界の株式に投資する、手数料の安い商品」を検索し、積み立てる設定をすれば完了です。一度設定してしまえば、あとはほったらかしでOKです。

「難しそう…」と感じたら、まずはネット証券の窓口やサポートに電話で聞いてみましょう。「つみたてNISAを始めたいのですが」と正直に言えば、丁寧に教えてくれますよ。

【要注意!】60歳からの「老後資金を守る」鉄則

最後に、FPとして皆さんに一番お伝えしたい「老後資金を守る」ための鉄則です。

つみたてNISAはあくまで、「増やしていくための一つの道具」です。これを老後資金のすべてにしてはいけません。

1.「使う予定の資金」は絶対に投資しない

向こう5年以内に使う予定のお金は、銀行の普通預金や定期預金など、安全な場所に残しておきましょう。

2.あなたの「リスク許容度」を知ろう!

投資を始める前に、まず知ってほしいのが「リスク許容度」です。

これは、資産が一時的にどれくらい減っても精神的に耐えられるかの度合いを指します。投資の目的や期間、そして何よりあなたの性格によって人それぞれ違います。

もし許容度を超えたリスクを取ると、相場が下がったときにパニックになり、損切りして失敗する可能性が高まります。

あなたの許容度に合わせて、無理のない範囲で投資を続けることが、長期で成功する秘訣です。

3.ときどき「見直し」は必要

資産全体のうち、「投資」に回している割合が多すぎないか、年に一度チェックしましょう。

まとめ:不安解消は「一歩踏み出す」ことから

今日の話はいかがでしたでしょうか?「つみたてNISA」という言葉のハードルが、少しでも下がったなら幸いです。

定年後や老後の生活は、不安でいっぱいです。でも、その不安の多くは「よくわからない」という漠然としたものから生まれます。

私たちはもう、「知らないまま」でいる時代ではありません。自分の大切な老後資金を、銀行でただ寝かせておくのは、もったいないことです。

まずは、今日ご紹介した「つみたてNISA」について、一歩だけ調べてみること。それが、あなたの老後資金を守り、増やしていくための、最初の一歩になります。

今日が人生で一番若い日!

「もっと早く始めればよかった…」そう思うことはありませんか?でも、大丈夫!今日という日は、残りの人生で確実に一番若い日です。

過去は変えられませんが、未来は今の行動で創れます。新しい挑戦をためらっているなら、今日こそがそのスタートライン。完璧じゃなくていいんです。一歩踏み出す勇気が、数年後のあなたを作ります。

さあ、最高の「今日」を始めましょう!

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