毎月の節約もムダに?知っておきたい「リボ払い」の恐怖
「毎月しっかり節約しているのに、なぜか貯金が増えない…」
そう感じている方は、実は少なくありません。
私たちシニア世代にとって、老後の資金は特に大切ですよね。資産を増やす「攻め」も大事ですが、その前に「お金を守る」という超大切な「守り」を固める必要があります。
自己破産してしまう人、つまりお金で本当に苦労する人は、収入が少ない人よりも、「気づかないうちにお金がどんどん出ていってしまう仕組み」にハマってしまった人の方が多いんです。
その「お金が出ていく仕組み」の代表格が、今回のテーマ「リボ払い」です。
リボ払いって、一体どんな支払い方法なの?
リボ払い(リボルビング払い)とは、クレジットカードで買い物をしたときの特別な支払い方法の一つです。
「高額な買い物や急な出費があっても、毎月の支払い額がほぼ一定になる」のが特徴です。
例えば、
この時計50万かぁ。手持ちないな。
毎月、定額1万円で支払っていく方法がありますよ。
えつ、1万円でいいの。
はい、手数料はかかりますが。
買います!!
という誘い文句で利用されます。
高額なものでも、毎月の負担が軽く感じられるため、「家計管理しやすい」「今月は厳しいから助かる」と思って使う人が多いのですが、これこそが大きな落とし穴への入り口なのです。
ポイント:リボ払いは、たとえ5万円の買い物を10回しても、合計50万円の買い物をしても、毎月決まった額(例えば1万円)だけを払い続けます。
恐ろしい!リボ払いの二つの「落とし穴」

リボ払いが「お金を守りたいシニア世代」にとって危険な理由を、二つのポイントで解説します。
落とし穴その①:気づきにくい「手数料」のカラクリ
リボ払いの最大の落とし穴は、毎月の支払額には、利用したお金(元金)とは別に、ものすごく高い手数料(利息)が含まれているという点です。
しかも、この手数料は「まだ返し終わっていない残りの借金全体」に対して、毎日かかってきます。
毎月の支払いを少なく設定しすぎると、どうなるでしょうか?
1万円払っても、そのうちの多くが手数料の支払いに充てられてしまい、本当に返したい「借金のお金(元金)」が、なかなか減りません。
借金が減らない = 手数料がかかり続ける残高が多い
という悪循環になり、結果として、手数料の総額がどんどん膨らんでしまう仕組みになっています。
落とし穴その②:年利15%という「超高金利」の恐怖
リボ払いの手数料は、一般的に年利15%前後と、非常に高く設定されています。
「年利15%」がどれだけ恐ろしいか、身近なもので比べてみましょう。
- 現在の大手都銀の定期預金の金利(年利0.275%程度)と比べると、なんと55倍にもなります!
- シニア世代が一生懸命やっている資産運用で、毎年15%の利益を安定して出すのは、プロでも難しい「かなりリスクの高い運用」をしなければ不可能です。
つまり、あなたが節約や資産運用で地道に増やしたお金が、リボ払いの「15%という高すぎる手数料」のせいで、一瞬で溶けていってしまうのです。
具体例:50万円の支払いが、15万円以上増える!?
もし50万円の買い物をリボ払いで利用し、「毎月1万円ずつ返済」と決めた場合、手数料がどれだけかかるか試算してみましょう。
- 利用金額:50万円
- 毎月の返済額:1万円
- 返済回数:約60回(5年)
なんと、元々の50万円に加えて、合計で約15万円以上もの手数料を余分に払うことになるのです。たった50万円の買い物で、約30%も余分にお金を払う計算になります。
これは、あなたが15万円をドブに捨てているのと同じこと。一生懸命貯めた老後の資金を、こんな形で減らしたくはないですよね。
シニア世代の借金の原因は、若い世代とは少し違う、老後ならではの生活環境の変化や特別な出費によるものが目立ちます。
先に解説した「リボ払い」のような、無計画な浪費というよりは、「やむを得ない出費」や「誰かのためのお金」がきっかけになることが多いのが特徴です。
シニア世代が陥りやすい借金の主なパターンと具体的な事例

1. 収入の減少と生活水準の維持
パターン:年金生活になり収入が減ったにもかかわらず、現役時代と同じ生活レベルを変えられず、毎月の赤字を埋めるために借金(キャッシングやリボ払い)に頼ってしまう。
- 事例:毎月赤字の生活費補填
- 「年金だけでは毎月数万円足りない」
- 「長年続けてきた趣味や旅行を急にやめられない」
- 「外食費や娯楽費を見直さずに生活した結果、クレジットカードのキャッシング枠で毎月足りない分を補填してしまい、雪だるま式に借金が増えた。」
2. 子どもや孫への援助(子の借金肩代わり含む)
パターン:自分たちの生活が厳しいにもかかわらず、生活が安定しない子どもや、可愛い孫のためにお金を出してしまい、自分たちの老後資金を切り崩したり、借金をしたりする。
- 事例:子どもの教育費・生活費の援助
- 「すでに退職しているのに、孫の入学金や学費を援助するため、退職金を使ってしまい、生活費が足りなくなった。」
- 「職を失った子どもの生活費を、自分のクレジットカードや消費者金融からの借金で立て替えてあげた結果、返済が追いつかなくなった。」
3. 医療費・介護費など予期せぬ大きな出費
パターン:自身の病気や、配偶者の介護が必要になったことで、予想外に高額な費用がかかり、貯金だけでは足りなくなってしまう。
- 事例:高額な医療費・介護費用
- 「大きな病気をしてしまい、入院や手術で貯金が底を尽きた。」
- 「配偶者の介護のために、特養(特別養護老人ホーム)の順番待ちの間に、一時的に高額な老人ホームに入居させる費用を借金した。」
4. 悪質な詐欺被害や投資の失敗
パターン:老後の不安や寂しさにつけ込まれ、詐欺被害に遭う、または、退職金などのまとまった資金を「一発逆転」を狙ったハイリスクな投資に使い失敗する。
- 事例:詐欺被害
- 「『絶対儲かる』という甘い言葉を信じ、高額な投資商品を購入したり、怪しい事業に出資したりして、数百万円を騙し取られた。」
- 「オレオレ詐欺や還付金詐欺などに遭い、急な出費に対応するためにキャッシングを利用した。」
5. 住宅ローンの残り
パターン:定年を迎えて年金生活になっても、住宅ローンが残っていて、年金収入ではローンの支払いができなくなり、他の生活費を借金で賄うようになる。
- 事例:年金生活でローンの支払いが重荷に
- 「現役時代の生活を維持しようと、定年後も住宅ローンを払い続けたが、病気などで働けなくなり、ローンのために生活費を借りる羽目になった。」
このように、シニア世代の借金は、「生活のため」「大切な人のため」といった、やむを得ない状況から始まることが多いのです。だからこそ、早めに家計全体を見直し、「お金を守る」意識を持つことが非常に重要になります。
まとめ:リボ払いは「絶対に使わない」のが一番!

リボ払いは、目先の支払い負担を軽く見せて、私たち消費者の購買意欲を誘うための仕組みです。
特に、
- 「今月ちょっとピンチだから…」
- 「毎月の支払額が一定で管理しやすいから…」
と安易に考えて手を出してしまうと、気づかないうちに手数料の借金地獄に陥ってしまいます。
リボ払いは、買い物をするたびに、手数料の総額がどんどん増えていく、とても危険な支払い方法です。
大切なお金を守るために、リボ払いの誘惑には絶対に手を出さないようにしましょう。
もし、すでにリボ払いを利用している場合は、できるだけ早く全額を一括で返済するか、毎月の返済額を可能な限り増やして、一刻も早く完済することを強くおすすめします。
老後のお金を守る「守り」の第一歩は、この「リボ払いの恐怖」を知り、避けることです!
あなたの周りのご友人やご家族にも、リボ払いの怖さをぜひ教えてあげてください。お金の話はしにくいかもしれませんが、大切な人を守るための行動です。 「リボ払い、使ってない?」と、そっと聞いてみてはいかがでしょうか?


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