健康診断で「肝臓の数値が高い」と指摘され、不安を感じていませんか?
沈黙の臓器と呼ばれる肝臓をいたわるには、積極的な「肝臓の休息」が不可欠です。
実は、お酒を控えるだけでなく、日頃の意外な習慣が数値を上げていることも。
本記事では、γ-GTPなどの数値を下げるための具体的な休肝日の作り方や、肝機能を改善する運動・食事のコツを優しく解説します。一生おいしくお酒を楽しむために、まずは体からのサインに向き合ってみましょう。
「毎日晩酌するのが人生の楽しみなんだよ」という方も多いでしょう。
私もその気持ち、よくわかります。でも、これからも長く、美味しくお酒を楽しみ続けるために、少しだけ「肝臓の休息」について一緒に考えてみませんか?
なぜ「休肝日」は必要なの?

肝臓は「不眠不休の化学工場」
肝臓は、私たちが食べたものや飲んだものを、体が利用できる形に変えたり、毒素を分解したりする重要な役割を担っています。お酒(アルコール)が入ってくると、肝臓は他の仕事を後回しにして、全力でアルコールの分解に取りかかります。
毎日お酒を飲むということは、この工場を「24時間365日、休まずフル稼働」させているのと同じことなのです。
「お休み」があるから長く動ける
機械でも、ずっと動かしっぱなしだと熱を持って壊れてしまいますよね。肝臓も同じです。週に数日、アルコールが入ってこない日を作ることで、肝臓は本来の「体のメンテナンス」や「修復」に専念できるようになります。
健康診断の結果表が届いたら、まずはこの「3つの数値」をチェック!

結果表に並ぶアルファベットを見て、「難しくてよくわからない」と諦めてしまうのはもったいないことです。肝臓の状態を知るために、まずはこの「3つの指標」だけを確認してみましょう。
一般的な「基準値(正常とされる範囲)」もあわせてご紹介します。 (※基準値は検査機関によって多少前後することがありますので、目安としてご覧ください)
γ-GTP(ガンマ・ジーティーピー)
- どんな数値?:アルコールに最も敏感に反応する酵素です。
- 適正な数値の目安:50 U/L 以下
- 見方のコツ:お酒好きの方が真っ先にチェックすべき項目です。100を超えている場合は、肝臓が「アルコールの処理で手一杯だよ!」と悲鳴を上げているサイン。まずはここを下げることを目標にしましょう。
ALT(GPT)(エーエルティー)
- どんな数値?:肝臓の細胞が壊れていないかを確認する指標です。
- 適正な数値の目安:30 U/L 以下
- 見方のコツ:本来は肝臓の中にいるものですが、ダメージを受けて細胞が壊れると血液中に出てきます。お酒を飲まないのにこの数値が高い場合は、食べすぎによる「脂肪肝(しぼうかん)」の可能性があります。
AST(GOT)(エーエスティー)
- どんな数値?:ALTと同じく細胞の壊れ具合を見ますが、心臓や筋肉にも含まれるのが特徴です。
- 適正な数値の目安:30 U/L 以下
- 見方のコツ:ASTとALTの両方が高い場合は、肝臓の疲れがかなり溜まっている証拠。「肝臓の休息」が急務であると教えてくれています。
お酒を控えても数値が下がらない!その「NG習慣」とは?

「休肝日を作っているのに、数値が思うように下がらない」という方がいらっしゃいます。実は、肝臓を疲れさせているのはアルコールだけではありません。心当たりのある習慣はありませんか?
❌ NG習慣①:夕食後の「果物」や「甘いもの」
果物に含まれる「果糖」や、お菓子に含まれる「砂糖」は、肝臓で中性脂肪に変わりやすい性質があります。特に寝る前の甘いものは、肝臓にダイレクトに脂肪として蓄積され、**「脂肪肝」**の原因になります。
❌ NG習慣②:早食い・ドカ食い
一気に食べ物が体に入ってくると、肝臓は処理に追われてフル回転しなければなりません。ゆっくりよく噛んで食べるだけでも、肝臓の負担はぐっと減ります。
❌ NG習慣③:市販薬やサプリメントの飲みすぎ
肝臓は「薬」を解毒する場所でもあります。良かれと思って飲んでいるたくさんのサプリメントや、安易に頼る鎮痛剤などが、実は肝臓を疲れさせているケースがあるのです。
数値を指摘されたら、どうすればいい?
もし数値が基準を超えていたとしても、落ち込む必要はありません。肝臓は「再生の天才」です。
まずは「2週間」のチャレンジ
数値が高かった場合、お医者さんから「少しお酒を控えましょう」と言われるはずです。まずは2週間、お酒を半分にするか、思い切って抜いてみてください。 これだけで、次回の検査で数値が見違えるほど良くなる方は大勢いらっしゃいます。
「沈黙の臓器」を信じすぎない
肝臓は、よほどのことがない限り痛みを感じさせません。数値が悪くなっているのは、目に見えないところで肝臓が一生懸命ダメージを食い止めてくれている証拠。数値で教えてくれたことを「早期発見のチャンス」と捉えましょう。
「休肝日」が睡眠を劇的に変える
「寝酒をするとよく眠れる」というのは、実は大きな勘違いです。休肝日を作ると、驚くほど目覚めが変わります。
- 深い眠りが手に入る:アルコールが抜けた状態での睡眠は、脳も体もしっかり休まります。
- 夜中のトイレが減る:お酒には利尿作用があるため、飲まない夜は夜中に起きる回数が減り、熟睡感が増します。
- 朝の「だるさ」が消える:肝臓がアルコール分解という重労働から解放されるため、朝起きた時の体の軽さが違います。
数値が高い時に取り入れたい「3つの生活習慣」
数値が気になるときは、肝臓に溜まった「余分なエネルギー(脂肪)」を燃やし、肝臓への血流を良くすることが大切です。
「ゆるい運動」をこまめに(有酸素運動)
肝臓に溜まった脂肪を燃やすには、ゼーゼー息が切れるような激しい運動は必要ありません。
- おすすめ:1日20分〜30分のウォーキング(散歩)。
- コツ:一度に歩かなくても、「朝10分、夕方10分」のように分けても効果はあります。お買い物に行くときに少し遠回りをしたり、階段を使ったりするだけでも肝臓は喜びます。
「スクワット」で筋肉を増やす
実は、肝臓の数値と「筋肉量」は深く関係しています。筋肉が増えると、体全体の代謝が上がり、肝臓に脂肪が溜まりにくくなります。
- おすすめ:椅子に座る・立つを繰り返す「椅子スクワット」。
- 効果:太ももの大きな筋肉を刺激することで、効率よくエネルギーを消費できます。
「湯船」に浸かってリラックス
意外かもしれませんが、お風呂をシャワーだけで済ませず、湯船に浸かることも大切です。
- 理由:体が温まると全身の血流が良くなり、肝臓への血流量も増えます。肝臓にたくさんの血液が送られると、解毒や修復の効率が上がるのです。ただし、熱すぎるお湯は心臓に負担がかかるので、40度前後のぬるめのお湯でゆったり浸かりましょう。
今日からできる!無理のない「肝活」のコツ
「明日から一滴も飲まない!」と決める必要はありません。シニア世代らしく、賢くゆったりと肝臓をいたわりましょう。
- 「とりあえずの一杯」をノンアルコールに まずは一杯目をノンアルコール飲料にするだけで、その後のアルコール総量を減らせます。
- 「休肝日」は週に2日、できれば連続で 肝臓もしっかりお休みさせるには、2日続けて休ませるのが理想的です。「月・火は休む日」と決めてしまうのも手です。
- タンパク質をしっかり摂る 肝臓を修復するには、お肉やお魚、大豆製品などのタンパク質が必要です。お酒を抜く日は、美味しい豆腐料理や焼き魚をメインに楽しみましょう。
まとめ:休肝日は「お酒を楽しむための準備」

お酒は本来、人生を豊かにしてくれるものです。友人との語らいや、美味しい食事のお供として、素晴らしい役割を持っておられます。
しかし、そのスパイスが「主役」になって体を壊してしまっては元も子もありません。
「休肝日は、次のお酒を美味しく飲むための準備期間」
そう前向きに捉えてみてはいかがでしょうか。肝臓をいたわることは、自分自身を大切にすること、そして家族に安心してもらうことにもつながります。
まずは今週、どこか1日だけ「お休みの日」を作ってみませんか?


コメント