難しい用語はもう怖くない!【ねんきん定期便】を確認して老後のお金と保険をスッキリ整理する方法

年金

ねんきん定期便」が毎年届くけれど、専門用語だらけで見るのが面倒になっていませんか?

「結局、私の年金はいくらもらえるの?」「老後のお金はこれで大丈夫かしら?」と不安に思っている方も多いでしょう。

大丈夫です!このブログを最後まで読んでいただければ、

  1. ねんきん定期便の「ここだけは見てほしい」大切なポイントがわかります。
  2. ねんきん定期便からわかる、生命保険を見直すための4つのヒントがわかります。
  3. 紙のねんきん定期便をなくしても大丈夫!「ねんきんネット」での確認方法がわかります。

公的な年金は、あなたの老後の生活を支える大切な土台です。面倒くさがらず、一緒に中身をしっかり確認して、将来のお金と安心を整理していきましょう!

そもそも「ねんきん定期便」って何?

ねんきん定期便は、あなたの「年金の成績表」のようなものです。

平成21年から、毎年、お誕生日の月に、日本年金機構から送られてくる「年金のお知らせ」です。

これは、あなたがこれまでどれくらいの期間、年金に加入し、将来どれくらいの年金がもらえそうかを確認するための、とても大切な書類なのです。

ハガキと封書、違いは?

  • 毎年届くのは、ハガキ形式のものです。
  • 35歳、45歳、59歳の「節目年齢」の時には、これまでの全期間の記録を詳しく載せた封書形式で届きます。

50歳以上の方の「見込額」の見方

ねんきん定期便に載っている「将来もらえる年金額」の見方は、50歳を境に変わります

  • 50歳未満の方:これまでの加入期間に基づいた「途中経過」の金額。
  • 50歳以上の方:「このまま60歳まで今の働き方を続けた場合」の「見込み額」が記載されています。

今回は、より具体的な年金額がわかる50歳以上の方のハガキを中心に、特に見てほしいポイントを解説します。

ねんきん定期便(ハガキ)の確認ポイント

表面:いつから・いくらもらえるかがざっくりわかる!

       引用:日本年金機構「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和4年度送付分)」
確認場所項目名シニアのためのわかりやすい解説
B65歳時の年金の見込額原則65歳から1年間にいくら年金をもらえるか(税金が引かれる前の額)の見込み金額です。まずはこの額を把握しましょう。
C70歳・75歳まで遅らせた場合の見込額年金をもらい始める年齢を65歳から遅らせる(繰り下げ)と、年金額が増えます。例えば75歳まで遅らせると、もらえる額が84%も増えて、しかも一生涯この増えた額をもらえます。
D国民年金自営業の方専業主婦(夫)の方が加入する年金です。
E厚生年金保険会社員公務員など、お給料をもらって働いている方が加入する年金です。
F標準報酬月額あなたが会社からもらっているお給料(基本給に残業代なども含めた額)を、年金計算のためにざっくりと区切った額です。毎月納める年金保険料を決めるもとになります。
G標準賞与額あなたが会社からもらっているボーナス(賞与)を、年金計算のためにざっくりと区切った額です。ボーナスから納める年金保険料を決めるもとになります。
H保険料納付額これまでにあなたが支払ってきた年金保険料の合計額です。

Google スプレッドシートにエクスポート

裏面:年金のベースと上乗せ額がわかる!

        引用:日本年金機構「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和4年度送付分)」
確認場所項目名シニアのためのわかりやすい解説
Iこれまでの年金加入期間あなたが国民年金厚生年金それぞれ何ヶ月加入したかの合計です。老齢年金をもらうには、原則として合計で120ヶ月(10年間)以上の加入期間が必要です。
J老齢年金の見込額65歳からもらえる年間の年金総額の見込みです。(表面のBと同じ金額です)
K老齢基礎年金国民年金に加入していた期間に応じて、全員がもらえる年金の土台となる部分です。(自営業者の方は主にこの年金です)
L老齢厚生年金厚生年金(会社員など)に加入していた期間に応じて、Kの基礎年金に上乗せしてもらえる部分です。
Nお客様のアクセスキー「ねんきんネット」に初めて登録するときに必要な暗証番号です。後述します。

ⓐ照会番号:ねんきん定期便について問い合わせする際の番号

確認ポイント②はがき裏面

ⓘこれまでの年金加入期間:国民年金(a)と厚生年金(b)で分かれている。これまで、サラリーマンから自営業等に起業されている方は別々に記載される。

 受給資格期間:これまでの年金に加入していた合計月数。なお、老齢基礎年金は原則として120か月(10年間)以上の受給資格期間が必要となる。

Ⓙ老齢年金の見込額:65歳からもらえる年金額(年額)*生年月日によって受給開始は異なるため、受給開始年齢欄を確認する。

ⓚ老齢基礎年金:受給開始年齢(原則65歳)になったらもらえる年金額

ⓛ老齢厚生年金:サラリーマン(もしくは公務員等)がⓚ老齢基礎年金に上乗せしてもらえる年金額

ⓜお客様へのお知らせ

ⓝお客様のアクセスキー:ねんきんネットにアクセスする際のIDを得るのに必要な番号

ⓞ音声コード:目の不自由な方の音声コード

【重要!】ねんきん定期便からわかる生命保険を見直す4つのヒント

公的な年金や健康保険には、あなたが病気やケガ、万が一のことがあった時のために、国が用意してくれている「公的な保障」があります。

ねんきん定期便の情報(特に国民年金厚生年金の加入状況)を元に、すでに国からどれくらいの保障があるかを確認すれば、「民間の生命保険はこんなに要らないかも」と気づき、保険料を安くできるかもしれません。

✅ヒント1:あなたが亡くなった時の「遺族年金」(自営業の場合)

自営業の方の家族(国民年金)

あなたが亡くなった場合、「18歳の年度末までの子ども」がいると遺族基礎年金が支払われます。

子どもがいない場合は、原則として遺族年金は支給されません

子どもがいない自営業の方は、万が一に備えた死亡保険(生命保険)の必要性が高いと言えます。

✅ヒント2:あなたが亡くなった時の「遺族年金」(会社員の場合)

会社員・公務員の方の家族(厚生年金)

あなたが亡くなった場合、子どもがいなくても、配偶者(夫・妻)には「遺族厚生年金」が、遺族基礎年金に上乗せして支払われます。

これは、あなたの「老齢厚生年金(L)」の一部が支払われるイメージです。

自営業の方に比べて公的な保障が手厚いです。お子さんの学費などを除けば、民間の死亡保険は必要最低限でも良いかもしれません。

✅ヒント3:入院や手術で医療費が高くなった時の「高額療養費制度」

病気やケガで病院にかかり、医療費の自己負担額が1ヶ月で高額になった場合、自己負担の上限額を超えた分は国から払い戻しされます。

この自己負担の上限額は、ねんきん定期便の「標準報酬月額(F)」、つまり現役時代の年収によって変わります。

→ 高額療養費制度があるため、医療費の心配は過剰にする必要はありません

ただし、現役時代の収入が高かった方は、上限額が高めになる傾向があるため、入院時の費用(差額ベッド代など)に備えた保険を検討しても良いでしょう。

参考記事:【50代からの医療保険】「要らない」はホント?本当に必要な”シンプル保障”と3つの選び方

【50代からの医療保険】「要らない」はホント?本当に必要な”シンプル保障”と3つの選び方
特に50代以降のシニア世代にとって、医療保険は「不要」とは言い切れない大切な備えです。

✅ヒント4:病気やケガで働けなくなった時の「傷病手当金」

  • 会社員・公務員の方(厚生年金加入者)
  • 病気やケガで会社を休み、お給料がもらえなくなった場合、最長1年6ヶ月収入の一部が支給されます。
  • もしもの時に収入が途絶えても、国から一時的にお金が出るので安心です。
  • 自営業の方(国民年金のみの方)
  • この制度の対象外です。
  • 自営業の方は、働けなくなった時の保障が公的に少ないため、就業不能保険など、民間の保険で備えることを強く検討しましょう。

公的な保障の仕組みがわかれば、民間の生命保険の「ムダ」が見えてきます。ねんきん定期便を使って、すでに準備されている金額を確認し、不必要な保障は削減してスリム化しましょう!

紙をなくしても大丈夫!「ねんきんネット」でもっと詳しく確認

ねんきん定期便は紙なので、なくしてしまうこともありますよね。そんな時は、「ねんきんネット」を活用しましょう!

ねんきんネットとは、インターネット上(パソコンやスマホ)で、あなたの年金情報をいつでも確認できるサービスです。

ねんきんネットでできること

  • いつでも、これまでの年金加入記録や将来の年金額の見込みを確認できます。
  • 「もし、あと○年働いたら?」「年金をもらい始める年齢を60歳にしたら?」など、将来の年金額を簡単に試算(シミュレーション)できます。
  • 紙のねんきん定期便より約1ヶ月早く、電子版のねんきん定期便をダウンロードできます。電子データなので、紛失の心配もありません。

ねんきんネットへの登録方法

ねんきんネットを始めるには、「ユーザーID」が必要です。

  1. 「ねんきんネット/日本年金機構」のホームページにアクセスし、「新規登録」ボタンをクリックします。
  2. ねんきん定期便(裏面)に載っている「アクセスキー(N)」がある場合
    • アクセスキーと、基礎年金番号(年金手帳に記載)などを入力すれば、すぐにユーザーIDが取得できます。(アクセスキーの有効期限は約3ヶ月です)
  3. アクセスキーがない・有効期限が切れている場合
    • 「アクセスキーなし」のメニューから、基礎年金番号、氏名、住所などを入力してユーザーIDの発行を申し込みます。
    • 申し込みから約5営業日後に、ユーザーIDが郵送で届きます

ユーザーIDが届いたら、パスワードを設定してログインすれば、いつでもあなたの年金情報を確認できますよ!

  • 💡補足:マイナンバーカードを持っている方へ マイナンバーカードをお持ちであれば、マイナポータルからねんきんネットに簡単にアクセス(連携)が可能です。

まとめ:あなたの将来はあなた自身でチェックしましょう!

ねんきん定期便の見方についてご紹介しました。

よくわからないからすぐに捨てるのではなく、まずは、ご自身が将来もらえる公的年金額(概算額)を把握することで、老後の不足分見える化しましょう!

生命保険についても、ねんきん定期便を使って公的な保障の金額を確認すれば、不必要な保障は削減して、保険料をスリムにできるかもしれません。

  1. ねんきん定期便の確認ポイントを理解すれば、将来の年金額がわかる。
  2. ねんきん定期便には生命保険見直しのヒントが記載されている。
  3. ねんきんネットで、さらに詳しく・いつでも把握できる。

あなたの将来の安心は、あなた自身で確認することから始まります。ぜひ、届いたねんきん定期便を開いてみてくださいね。


この情報が、皆さんの年金生活の準備に少しでもお役に立てれば幸いです。年金のことや保険の見直しについて、さらに疑問点などが出てきましたら、いつでもお気軽にご質問ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました