「遺族年金が廃止されるらしい」
「5年で打ち切りになるって本当?」
最近、そんな不安なニュースを耳にして、ドキッとしたことはありませんか?
今すでに遺族年金を受け取っている方や、これからの生活を考える方にとって、大きなお金のニュースは心配になりますよね。
「まだ2028年の話だから関係ないのでは?」と思われるかもしれませんが、今のうちに自分の保障がどう変わるかを知っておくことが、将来の安心につながります。
結論からお伝えします。 今回の見直しで、遺族年金制度自体がなくなることはありません。
また、現在すでに遺族年金を受け取っている方や、60歳以上の方の権利が減額されたり急に打ち切られたりすることもありませんので、どうぞご安心ください。
この記事では、最新の情報をもとに、新しい遺族年金の見直し案を分かりやすくお伝えします。
遺族年金の見直し案はなぜ必要なの?

これまでの遺族年金制度は、「夫が外で働き、妻が専業主婦で家庭を守る」という、昭和の家族モデルを前提に作られていました。
そのため、大きな男女差(格差)がありました。
- 夫が亡くなった場合:妻は30歳以上なら一生涯受給できた
- 妻が亡くなった場合:夫は55歳未満だと受給する権利すらなかった
しかし、現代は共働き世帯が主流になり、女性の社会進出も大きく進んでいます。
厚生労働省の試算では、2040年までに男女の就業率がほぼ同じになると予測されています。
こうした時代の変化に合わせて、「妻が亡くなった場合でも、夫の生活をしっかりと支えるべきだ」という公平性の観点から、今回の法改正が決まりました。
主な6つの変更点とポイント

1. 男女の差をなくし「公平」な仕組みへ

これまでは子どものいない場合、女性は一生涯もらえた一方で、男性は原則もらえませんでした。
見直し後は、18歳未満の子どもがいない20代〜50代の配偶者について、性別に関係なく原則5年間の有期給付に統一されます。これまで対象外だった55歳未満の男性配偶者も、新たに5年間受け取れるようになります。
2. 5年間のあいだは年金額がアップ!

出典:厚生労働省 年金局「遺族年金制度等の見直しについて」
「たった5年しか受給できないの? 実質的な減額では?」と不安に思うかもしれません。
しかし、期間が短くなる代わりに、5年間の給付期間中は「有期給付加算」が適用され、現行制度より約1.3倍に増額された満額に近い支給を受けられるようになります。
3. 自分の老後を支える「死亡時分割」の導入

出典:厚生労働省 年金局「遺族年金制度等の見直しについて」
結婚していた期間の厚生年金記録を夫婦で分け合う「死亡時分割」という新しい制度が始まります。
これにより、これまで年金記録が少なかった専業主婦やパートで働いてきた方も、将来ご自身がもらう老齢厚生年金を増やすことができるようになります。再婚してもこの上乗せ分は継続されます。
4. 女性にのみ支給されていた加算の段階的廃止
これまで40歳以上65歳未満の子どものいない妻に支給されていた「中高齢寡婦加算」は、男女平等の観点から約25年かけて段階的に廃止されます。
ただし、すでに受給権を持っている方の金額や権利はそのまま保護されます。
5. 年収850万円の制限が撤廃されます
これまであった「年収850万円未満」という厳格な収入制限が撤廃されます。
共働きで世帯収入が比較的高めのご家庭でも、配偶者を亡くした直後の急な収入減をカバーできるようになります。
6. 子育て世帯への支援が手厚く
子どもがいる場合の「遺族基礎年金の子の加算額」が引き上げられます。
これまで減額されていた3人目以降の子どもについても、1人目・2人目と同額が加算されるようになります(すでに受給中の方も対象です)。
影響を受ける人・受けない人
| 区分 | 有利になる人 | 不利になる人 | 影響なし |
|---|---|---|---|
| 男性配偶者 | ・55歳未満の子どものいない男性(新たに5年間の受給資格獲得) ・年収850万円以上の男性(収入制限撤廃) | 特になし | ・60歳以上の男性 ・子どものいる男性 |
| 女性配偶者 | ・年収850万円以上の女性(収入制限撤廃) ・5年間の有期給付期間中は満額支給 | ・30歳以上の子どものいない女性(生涯給付から5年間の有期給付へ) ・40歳以上65歳未満の子どものいない女性(中高齢寡婦加算の段階的廃止) | ・60歳以上の女性 ・子どものいる女性 ・2025年4月以前に受給権が発生している女性 |
| 共通事項 | ・死亡時分割制度の導入により将来の老齢厚生年金が増額 | なし | ・施行日前に受給権が発生している人 |
※「子ども」とは18歳到達年度末までの子、または20歳未満の障害等級1級・2級に該当する子を指します。
今回の改正による影響は、年齢や家族構成によって異なります。
- 有利になる人
- 55歳未満の子どものいない男性
- 高収入の配偶者(収入制限撤廃)
- 子育て世帯
- 死亡時分割で将来の年金が増える方
- 影響がない人
- 60歳以上の配偶者(従来通りの終身受給が維持されます)
- すでに遺族年金を受け取っている方
- 不利になる(見直し対象となる)人
- 30歳以上で子どものいない女性(終身から5年間に変更)
- 中高齢寡婦加算の対象となる女性
不利になる人・若い世代に必要な「資産形成」という備え
受給期間が原則5年間に短縮されるケースに該当する方は、国からの保障が段階的にスリム化していきます。
「私たち50代だし、今さら投資なんて始めても間に合うの?」と思われるかもしれませんが、大きなリスクを取る必要はありません。ご自身のペースでコツコツと取り組むことができます。
「自分の身は自分で守る」という意識が大切です。もし保障がスリム化する側にあてはまる場合は、現役世代のうちから新NISAやiDeCo(イデコ)といった制度を活用し、自分自身の老後資金や万が一の備えを計画的に育てていきましょう。
早めに準備を始めることで、制度変更の不安を大きな安心に変えることができます。
まとめ

今回の遺族年金の見直しは、決して「年金の改悪や廃止」ではなく、現代の社会構造に合わせて男女の不公平を解消するための前向きなアップデートです。
- 遺族年金制度自体は廃止されません(子育て世帯や高齢者への配慮も継続)
- 子どものいない配偶者への給付は原則5年間になります
- すでに受給中の方や60歳以上の方は影響ありません
- 保障がスリム化する世代は、NISAやiDeCoなどの資産形成でカバーしていきましょう
制度の正しい中身を知ることで、過度な不安を手放すことができます。ぜひこの機会に、ご自身のマネープランについて、ご家族と一緒にゆっくり話し合ってみてくださいね。


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